●水平飛行に於けるピッチ方向の見方
画面中央に見える、仮想中心点(X点)を考えてみる。
X点を、カメラと同じ高さ(胴体基準線に対して)とすれば、背景のどこにX点があるかで、機体の向きが分かる。
例えば、胴体が地面と平行なら、機体高度100mの時、X点は100mの鉄塔の先端と同じであり、機体高度300mならば300mの山の上と同じになる
ただ、対称翼で迎角0°では水平飛行は維持できない。
水平飛行や背面飛行をするためには若干テールを下げる必要がある。
従って、この時、X点は地平線より下となる。
どの辺りを指すかは飛行速度や高度によって変わるが、例えば、
飛行高度100mでテールを1°下げると、約6km先の地面、
飛行高度50mでテールを2°下げると、約1.5km先の地面、
といった具合。
何れにしても、(説明画像の様に)X点が空中にあるというのは、正立にしろ背面にしろ、機体が水平飛行を維持できる状態ではないという事になる。
この点に注意して動画を見ると、演技の開始前と終了後で、水平飛行がどれだけ正確だったかが良く分かる。
因みに、この機体では垂直尾翼部分で、X点が約16mm上(または下)にズレると、1°のズレとなる。
ピッチのズレを描き出してみると、クセが良く分かって、今後の練習目標にすることができる。
また、ロール軸の通りについても、X点を中心に画像が回転しているかどうかで確認できる。
厳密に言えば、カメラが機体中心線から離れていれば多少のズレは生じるが、背景の中(数10m〜数km先)での20cmのズレなので、X点を中心で問題無い。
スロー再生すれば、ロール中に不必要なエレベーターやラダーが入っていないかが良く分かる。
それと、垂直上昇をした地点を調べて、飛行位置の確認をする事も大事。
●飛行コースの曲がりについて
多くの場合、飛行コースは「へ」の字型になっている。
なぜ「へ」の字ではいけないか。
土台が曲がっていてはその上にきちんとした建物は立たないのと同じで、
正しい空間認識力が無ければ、正確な操縦や飛行は出来ないし、横風への対処もままならない。
パターン飛行にはアクロ飛行の様な派手さは無いが、この辺の追求が面白い所で、誰でもがその技量なりに末長く楽しめるジャンルとなっている。
飛行コース確認のために、まず、Google Earthで、飛行コースの延長先にある目標ポイントを探し出しておく。
左側の目標ポイントは、山の凹んだ辺りの下に見える小さい鉄塔とする。
水平安定板の片側の長さが24°に相当するので、この時には、機体が6°外側を向いていた事が分かる。
右側の目標ポイントは、鉄塔のほんの少し右側。
画像のこの瞬間には、機体が3.5°外側を向いていた事になる。
●横風に対する偏流修正角
無風でのターンの折り返し時に上記の様な外向き姿勢が見られたら「へ」の字飛行が疑われる。
ただ、横風の場合は偏流修正角が必要となるので、演技の開始と終了時のズレを見比べる必要がある。
正しく偏流修正角が取れていれば、演技の前後でズレの量は変わらない。
そして当然の事ながら、正面風の中で「へ」の字飛行をすると、フレームオーバーを犯し易い。
下のサンプル動画はパイロット正面の横風での飛行だったが、偏流修正角の取り方や、演技の前と後の直線のズレの変化に注目してみると良い。
↓これも、演技の「入りと途中」の機軸のズレに注目。
●トップラダー
トップラダーとは、主翼が傾いた時に空側にラダーを切る操作の事。
軸の通ったロールをする為には、地面の傾きに同調させたトップラダーが必要になる。
下の動画は、ラダーの先端に目印が付いているので、その様子が良く分かる。
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